2014年6月 5日

はんまにびっくりしたわぁ。

先日、ある現場にウレシイカベを届けた。
左官屋さんは
わしは東京の某家電メーカーの会長のマンションも塗ったと
自信満々。

そのときに
気づくんだった。
大工さんのお墨付きの左官屋さんだったから
ついつい安心しとった・・・

それが
『押さえをしたら
むらびきするんじゃけど・・・』
と突然の電話!
実は
この電話で現場の様子はだいたいわかる。
ボクは他の現場に入っているからすぐには行けないけど
どうしてもというなら行くしかないですけど・・・
と電話を切る。

そしたら
大工さんから電話。
『左官屋さんは
 手待ちでずっと待っとんじゃけど』

え〜〜!!
そう言われると行くしかない。

行ったら
案の定。
下地がまっすぐ塗られていない。
とりあえず色をつけた程度。

築200年の家の塗り替え。
土壁の上に塗るので
当然、中塗りが悪ければ
下地の地直しからしなければならない。

せめて
下地で大方ならしておいて
コテが抜けるようにしてないと・・・・。
って言うのは
僕にとっては当たり前。

68歳のベテラン職人の言葉。
『聚落じゃったらこのくらいの下地でいける。
 塗れんとは言わんけど
 塗るのには手間がかかる。』
『ボードの上のようにはまっすぐ塗れん』

もうあきれてしまった。
『下地はまっすぐにしといてくださいよ。
 この材料は下地を拾うけん
 ほんまにまっすぐしとかんといけんですよ。』
そう釘を刺していたのに
『ここまで下地を拾うんならそういうといてもらわんと・・・』

正直、怒ってしまった。
築200年の土壁の家にボンド聚落でええがなって。
それが安いがなって。
きっと
お客さんからもらうお金はそんなに変わらない。

ほんま
施主さんにとっては
不遇の時代です。

塗れる職人が少なすぎる。
ボクのウデもまだまだですが
ベテランとか言われる人たちが
ほんとうに
・・・。

ボクがコテを持ったときのことを思い出した。
正直、ほとんどの左官屋さんと
会話が成り立たなかった。
彼らは稼ぐ糧として
コテを握っていた。

だから
塗りやすい材料が良かった。

ボクは
居心地のいい空間が欲しかった。
だから
塗りにくくても
塗るしかなかった。

ボクのつくったウレシイカベは
ボンド聚落と比べてもらっちゃ困る。
ほかの珪藻土の壁とも。

塗ろうと思ってやったら
だれでも塗れるけん。
素人でも塗れるようにつくったけん。

でもな。
おれはほんまに
自分の家を塗る材料がない。
ボクが自分の家に選びたい壁がない。
だからつくったんよ。

ほんまに
自分のために。

ボンド聚落ならだれでも塗れるけん。
じゃけどうれしゅうないけん。
ほんまに
気持ちのええ空間。
それがつくりたいし
ボクと同じように考えとる左官職人が居るはずなんよ。
こんな壁じゃないんよ。
もっとええ壁はないんか?
そう考えとる人が居ると思うし
住む人はこんな壁が欲しいと思うんよ。
じゃけん。

じゃけん。
ぼくはやるんよ。

コメント

感じたままの素直な言葉に共感を得ました!森本さんのウレシイカベと想いを広めますわ!!

松本さん。
いや〜お恥ずかしい。
でも、これがボクなんで
この生き方で行くんです。
よろしくおねがいします。

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