若手が塗ってる。
先ほどまでは
仕上げをしていたんだけど
今は現場を移動して
下塗り。
そう珪藻土壁の下地を塗っている。
そこで活躍してるのは・・・
仕上げをしていたんだけど
今は現場を移動して
下塗り。
そう珪藻土壁の下地を塗っている。
そこで活躍してるのは・・・
若手のユウキとヒロキ。
普段はお兄ちゃん達が塗るから
なかなか出番が無いもんなぁ。
チャンスとばかり
がんばっている。
それがなかなかやるもんだと
僕は感心。
お兄ちゃん役のダイジョウさんは
アーダコーダと指導してるけど
僕の若い時より
みんなうまいわぁ。
僕は
ほんま食ってくのがやっとで
まともに壁塗ったこと無い時から
新築の依頼を頂いたり
ほんまに
可愛がってもらってきた。
若手ががんばってるのを見ながら
うれしいやら
自分自身が若い時から
いろいろな人に
可愛がってもらってきたことを
思い出しながら
ありがたさに浸ったり。
ほんまに
ありがとうございます。
今思っても
いくつかおもしろかったことがあるんだけどね。
その中でも
アッチャンって言う職人さんがいてね。
当時でも65はまわってただろうなぁ。
僕は二十歳過ぎ。
珪藻土の材料を現場に運んで行ったら
アッチャンがいた。
そりゃ〜もう。
めっちゃ恐い顔をして。
『おい。こりゃ〜ど〜やって塗りゃ〜ええんなぁ〜?』
『そりゃ塗るのは職人さんの仕事なんでぼくには・・・
下地を1ミリ厚で上塗りを3ミリ厚で塗って下さい。』
『じゃからな。どうやってぬりゃ〜え〜んなぁ〜。
ちょっと塗ってみせてくれ〜や〜』
そんな無茶なことを言う職人さんが当時は結構居た。
その中でもアッチャンは結構な勢いだった。
『塗るのは職人さんの仕事。僕は仕事をとってくるのが仕事。』
『じゃからどうやって塗るんなぁ〜
もしかして
塗り方も知らんのに売っとんじゃないんだろうなぁ〜』
『じゃから・・・』
『もりもとぉ。それじゃぁいけん。
誰でも最初はしたことが無いんじゃ。
したことが無いんなら今してみいや。』
『道具が無いですから』
『道具ならここにわしのがあろうがな。』
『じゃから、職人さんの道具を借りるなんて・・・・
そりゃ失礼じゃから』
『わしがええいうとんじゃ。
いけん思うたら終わってから今日買うて来い。
明日は自分のコテで塗りゃ〜ええ。』
と言うことで
なぜか
僕はコテ道具を一式借りて
塗り始めることになった。
そして
次の日も
その次の日も。
その現場が終わるまで
毎日現場に通った。
アッチャンはほんまに恐い顔をしている。
しゃべりもめちゃくちゃ恐い。
でも
僕は大好きだった。
当時
珪藻土屋と言っても
ほとんど仕事はなく
毎日、何やってたんだろう。
他の仕事をしては食いつないでいた。
むしろ
他の仕事をして稼いだぶんで
珪藻土屋を続けていた。
あのとき
アッチャンがあんな無茶を言わなかったら
今の僕は無いだろう。
あの現場はおもしろかったなぁ。
朝、現場に遅れて急いで行ったら
『おい。今起きたんかぁ。
ええのをよう寝れて。』
『いや、あの。することが色々あって。』
『おい。お前わからんと思っとんか?
今起きました。って、顔に書いてあるんじゃぁ。』
こんなのは
もうあたり前の話で
10時に近づくと
『おい。森本。
何を買うてくるんか
わかっとろうなぁ。』
『えっ。』
『わしは500で
○○さんはワンカップな。
お前も要るもん買うてこいな。
ジュースやこう買ってくんなよ。』
『あっ。はい。』
もちろん。
お昼も。
それ以上に。
もうね。
あの頃はほんまにそんな時代やったんよ。
楽しかったなぁ。
お昼にお昼寝しとったら
いつまで経っても起きんのん。
『あの・・・・』
『今日はなんぼ塗ったかわかっとんか?
今日はもう今日の分塗っとるぞ。
ここの現場はどうせお金ももらえんのんじゃ。
そんなにがたがた言わんでもええ。』
『はい・・・・』
ほんまにそうやった。
でもアッチャンらは腕も良かったんで
ほんまによう仕事しとった。
なにより
地でおもしろかった。
もう時効やしええよね。
アッチャン。
いくつになられたんやろ。
会いたいなぁ。
僕はアッチャンと会うと
ほんまにうれしい。
前回会ってからもう5年以上会ってないよな。
もう引退されたって聞いたし
アッチャンすれ違うても
軽トラのって前しか見てないけん
なかなか気付いてくれんもんなぁ。
そんなふうに
僕は周りの人に恵まれている。
アッチャン。
ありがとう。
普段はお兄ちゃん達が塗るから
なかなか出番が無いもんなぁ。
チャンスとばかり
がんばっている。
それがなかなかやるもんだと
僕は感心。
お兄ちゃん役のダイジョウさんは
アーダコーダと指導してるけど
僕の若い時より
みんなうまいわぁ。
僕は
ほんま食ってくのがやっとで
まともに壁塗ったこと無い時から
新築の依頼を頂いたり
ほんまに
可愛がってもらってきた。
若手ががんばってるのを見ながら
うれしいやら
自分自身が若い時から
いろいろな人に
可愛がってもらってきたことを
思い出しながら
ありがたさに浸ったり。
ほんまに
ありがとうございます。
今思っても
いくつかおもしろかったことがあるんだけどね。
その中でも
アッチャンって言う職人さんがいてね。
当時でも65はまわってただろうなぁ。
僕は二十歳過ぎ。
珪藻土の材料を現場に運んで行ったら
アッチャンがいた。
そりゃ〜もう。
めっちゃ恐い顔をして。
『おい。こりゃ〜ど〜やって塗りゃ〜ええんなぁ〜?』
『そりゃ塗るのは職人さんの仕事なんでぼくには・・・
下地を1ミリ厚で上塗りを3ミリ厚で塗って下さい。』
『じゃからな。どうやってぬりゃ〜え〜んなぁ〜。
ちょっと塗ってみせてくれ〜や〜』
そんな無茶なことを言う職人さんが当時は結構居た。
その中でもアッチャンは結構な勢いだった。
『塗るのは職人さんの仕事。僕は仕事をとってくるのが仕事。』
『じゃからどうやって塗るんなぁ〜
もしかして
塗り方も知らんのに売っとんじゃないんだろうなぁ〜』
『じゃから・・・』
『もりもとぉ。それじゃぁいけん。
誰でも最初はしたことが無いんじゃ。
したことが無いんなら今してみいや。』
『道具が無いですから』
『道具ならここにわしのがあろうがな。』
『じゃから、職人さんの道具を借りるなんて・・・・
そりゃ失礼じゃから』
『わしがええいうとんじゃ。
いけん思うたら終わってから今日買うて来い。
明日は自分のコテで塗りゃ〜ええ。』
と言うことで
なぜか
僕はコテ道具を一式借りて
塗り始めることになった。
そして
次の日も
その次の日も。
その現場が終わるまで
毎日現場に通った。
アッチャンはほんまに恐い顔をしている。
しゃべりもめちゃくちゃ恐い。
でも
僕は大好きだった。
当時
珪藻土屋と言っても
ほとんど仕事はなく
毎日、何やってたんだろう。
他の仕事をしては食いつないでいた。
むしろ
他の仕事をして稼いだぶんで
珪藻土屋を続けていた。
あのとき
アッチャンがあんな無茶を言わなかったら
今の僕は無いだろう。
あの現場はおもしろかったなぁ。
朝、現場に遅れて急いで行ったら
『おい。今起きたんかぁ。
ええのをよう寝れて。』
『いや、あの。することが色々あって。』
『おい。お前わからんと思っとんか?
今起きました。って、顔に書いてあるんじゃぁ。』
こんなのは
もうあたり前の話で
10時に近づくと
『おい。森本。
何を買うてくるんか
わかっとろうなぁ。』
『えっ。』
『わしは500で
○○さんはワンカップな。
お前も要るもん買うてこいな。
ジュースやこう買ってくんなよ。』
『あっ。はい。』
もちろん。
お昼も。
それ以上に。
もうね。
あの頃はほんまにそんな時代やったんよ。
楽しかったなぁ。
お昼にお昼寝しとったら
いつまで経っても起きんのん。
『あの・・・・』
『今日はなんぼ塗ったかわかっとんか?
今日はもう今日の分塗っとるぞ。
ここの現場はどうせお金ももらえんのんじゃ。
そんなにがたがた言わんでもええ。』
『はい・・・・』
ほんまにそうやった。
でもアッチャンらは腕も良かったんで
ほんまによう仕事しとった。
なにより
地でおもしろかった。
もう時効やしええよね。
アッチャン。
いくつになられたんやろ。
会いたいなぁ。
僕はアッチャンと会うと
ほんまにうれしい。
前回会ってからもう5年以上会ってないよな。
もう引退されたって聞いたし
アッチャンすれ違うても
軽トラのって前しか見てないけん
なかなか気付いてくれんもんなぁ。
そんなふうに
僕は周りの人に恵まれている。
アッチャン。
ありがとう。
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